今回はどうしてそのような配色になったのかをご紹介しようと思います。
◆色
ポルトガル国旗の配色が緑と赤なのには、様々な説がありますが、
例えば緑の場合、希望や誠実を指しているという説や、ポルトガルの初代王朝であったアヴィス王朝の立役者となった騎士団のシンボルカラーだったから、などの説があります。
また赤は、現在に至るまでのポルトガルの歴史の中で、大航海時代に未知なる新天地を求めて大海原を開拓したポルトガル人の犠牲の血だ、とする説や、王政から共和制に変わった時の革命で流れた血だ、とする説があります。
日本の国旗は「日の丸」、イギリスの国旗は「ユニオンジャック」などの愛称が知られていますが、実はポルトガルの国旗にもあります。ポルトガル国旗の愛称は『ベルデ・フブラ』。ポルトガル語で意味は『緑・赤』と、見たままの直訳です。覚えやすくていいですね。
◆真ん中の図形
(国名の語源となった第二の都市・ポルト)
国旗の色の分かれ目にある金色の物体は、大航海時代の航海の必須アイテム・天測儀。現在ではGPSが代わりに使われていますが、つい半世紀前まではこの天測儀も現役だったというのですから驚きです。「ポルトガル」という国名自体、ポルトのラテン語旧名であるポルトゥス・カレ(カレ港)という海とも切っても切れない縁があることをよく表しています。

(初代国王になったアルフォンソ1世)
その上の赤い盾の縁に描かれた7つの城は、レコンキスタの際に国王アフォンソ3世がムーア人から奪い返した7つの城砦を、その内側の5つの青い盾は1139年のオーリッケの戦いをめぐって、劣勢だった初代ポルトガル王アフォンソ1世の軍勢がそれを覆して敵の5人の王を討ち、ポルトガルの初代国王として即位した伝説を、さらにどの青い盾の中心にも刻まれた5つの白い円はキリストの5つの聖痕を表すとされています。
いかがだったでしょうか。
国旗には様々なバリエーションがありますが、ポルトガルの国旗は中でもレコンキスタから大航海時代までの栄光の歴史が良く現れています。